界隈地名さんぽ

京都市内の住所は南北の通りと東西の通りの交差点を基点に、どちらの方角へ進むかを示す住所表記になっているところが多くあります。表記の中で、「東(西)入ル」は東(西)へ行く、「上ル」は北行、「下ル」は南へ行きます。
弊社の住所は「猪熊通中立売下ル」なら、猪熊通と中立売通の交差点から、南北に走る猪熊通を南行したあたりとなります。
中には、「○○通と△△(通)西入ル下ル☆☆町」なんていうものもありますが、○○通と△△通の交差点から西へ逝って南へ行ったあたりにある☆☆町というわけです。
このように、京都の町中を歩くには通りの名前を知っておくと大変便利です。
合わせて由来も知っておけば「いと楽し」。
さっそく弊社の住所にある二つの通りの由来をご紹介しましょう。
猪熊通 ・中立売通 

平安京(794年遷都)が造営された当時に造られた「猪隈(いのくま)小路」にほぼ該当し、洛中でも最も古い通りの一つです。
名前の由来は関白藤原基実の住まい「猪隈殿」から起こったとするもの(京都坊目誌)もありますが、由来がわからないと書かれているものもあります。
この猪熊通は途中二条城や西本願寺などで途切れながらも、平安京の南端羅城門のあった九条通まで南北一直線で続いています(現在は十条通まで)。
このことからも、正確に南北と東西の道を碁盤の目のように造営した平安京の長い歴史を表す通りであることがわかるのです。

正親町(おおぎまち)通とも言われるこの通りも、平安京開設当初に造られた正親町小路にほぼ該当します。
実は「立売」と名前の付く通りは、現在「上立売通」「中立売通」「下立売通」の3つあります。
このうちの「上立売通」と室町通の交差点(辻)付近に、室町時代(1338~1573年)後期多くの商人(呉服や絹、糸など)が集まって商売をしたことから「立売の辻」と呼ばれるようになりました。
正親町通と呼ばれていたこの通りにも多くの商人が立ち並び「立売」の名を冠することになったのかもしれません。